派遣社員でももらえる出産手当金!出産日は出産予定日より前と後どっちがお得?

子ぐまママです。

最近派遣先の産休・育休社員の給付の担当を任されています。

文言を読んだだけでは、いろいろ迷うことが多い産休・育休の関連給付について詳しく説明します。

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出産手当金とは?

出産手当金とは、健康保険の被保険者である女性が出産した場合に、出産日以前42日(多胎は98日)から出産日後56日目の範囲内で、出産の為に労務に服さなかった期間、標準報酬日額の2/3に相当する金額が健康保険より支給されます。

★正社員だけでなく、健康保険の被保険者であれば、派遣社員はもちろん、契約社員、パート、アルバイトも対象になります。

※派遣社員が産休を取得する方法はこちらの記事がオススメ

[blogcard url=”https://arekoreikuji.com/2017/06/28/benefit-for-delivery/”]

注意したいポイント!

  • 出産日当日は産前休暇になります。
  • 任意継続被保険者には支給されません。
  • 妊娠4ヶ月(85日)以上であれば、流産・死産を問わず支給対象です。
  • 労務に服さなかった期間は、公休日も対象です。(土日が公休日の会社なら、土日も出産手当金の支給対象日です)

※その他、出産予定日より42日前に退職する人や、国保加入者健保の被扶養者は、出産手当金の支給はありません。

出産手当金は、健康保険の被保険者が出産した場合に給与の補填として支払われる手当ということが大前提になるんですね。

※但し、出産予定日前に退職する場合でも出産手当金の対象になる人がいます!

「出産予定日より42日前に退職する人は対象外」と記載していますが、これは逆に言うと産前休暇が開始後(出産予定日まで42日を切ってから)に退職すれば出産手当金の対象になるということです!(この場合は退職前の被保険者期間が継続して1年以上あることと退職日当日に出勤していないことが必要条件となります。)

出産手当金の計算式は?

1日当たりの出産手当金

=【支給開始日以前の継続した12か月間の各月の標準報酬月額を平均した額】÷30日×2/3

となります。(支給開始日とは、一番最初に給付が支給された日です)

標準報酬月額がずっと26万円の方なら、

26万円÷30日×2/3=5,778円ということで、1日あたり5,778円がもらえます。

この金額に支給対象期間(基本98日)をかけるので、総額566,244円と結構な額がもらえます!

出産予定日より前に出産した場合、出産手当金はどうなるの?

出産手当金ですが、実際の出産日を基準に対象期間が割り出されます。ただ、みんながみんな出産予定日に出産できるわけではありませんよね。そこで、出産予定日と出産日が異なる場合の出産手当金の扱いについて説明します。

出産予定日よりに出産した場合、実際の出産日以前42日前から出産日後56日(計98日間)が支給対象となります。

例えば、余裕を見て産休開始予定日(出産予定日以前42日前)よりも早めに休んでいると、出産日が10日早かったとしても、実際の出産日以前42日前から出産日後56日の計98日間すべてが対象になります。

出産予定日より前の出産

でも、きちんと産休予定開始日から休んだ場合は、出産が早まった分の日数が支給対象日から除かれてしまうんです。

<例:出産予定日より出産日が10日(※)早く、産休開始予定日から休んでいた場合>
産前休暇(42日-10日)+産後休暇56日=88日間が支給対象となります。

出産予定日より前の出産

ということで、産休開始予定日より余裕をもってお休みしておく方が安心ですね。

出産予定日より後に出産した場合は出産手当金はどうなるの?

出産予定日より後に出産した場合、出産予定日以前42日前から実際の出産日後56日が支給対象となり、遅く出産した日数分が支給の対象日に追加されます。

例えば、出産予定日より、実際の出産日が10日遅くなった場合は、その日数分が支給対象日に追加されます。

<例:出産予定日より出産日が10日(※)遅かった場合>
産前休暇(42日+10日)+産後休暇56日=108日間が支給対象となります。

出産予定日より後の出産

つまり、出産予定日より出産日が後になった場合の方が、出産日が前になった場合より、出産手当金が多くもらえるということになります!!

まぁこればかりは計算通りに行きませんが。。

産前産後期間に有給休暇取得はできる?

産前産後期間中の有給休暇ですが、産前期間中は有給休暇の使用が可能で、産後期間は有給休暇は使用できません
理由は、本来有給休暇は就業日にしか使えないからです。

※産前期間は本人の請求で就業できない期間に対して、産後期間は法律上の就業禁止期間となります。
つまり就業日ではない産後期間には有給休暇は使用できないということになるんです。

有給休暇中も出産手当金はもらえるの?

産前期間中に有給休暇を取得していても、出産手当金の支給対象日になります。

但し、出産手当金は、報酬(給与など)をもらえる場合、出産手当金よりも報酬額が上回ると支給されません。(報酬額が出産手当金より少ない場合は、その差額分が支給されます。)

ということで、有給休暇を取得すると、出産手当金よりも有給休暇(報酬)の方が上回ることが多いので、報酬との調整が入り実際には出産手当金は支給されない日になることが多いんです。

尚、会社を無給で休んで出産手当金をもらうより、有給休暇を取得する方が手元に入る額が多い場合がほとんどだと思います。そこで産前期間は全ての有給休暇を取得されるという方もいるかもしれませんが、復帰後のことを考えると、子供の熱で休んだりすることが多くなるので、あまり有給休暇は使いすぎないほうがいいかもしれません。

産休中も社会保険料が免除されます

以前は育児休業期間のみの社会保険料免除でしたが、現在は産休中も社会保険料が免除されるようになりました!

産休中の社会保険料免除とは、産前開始月から産後終了日の翌日の月の前月まで、健康保険料と厚生年金保険料が免除される制度のことです。これは有給休暇であろうが無給休暇であろうが、労務に服していなければ社会保険料免除の対象になりますよ!
しかも本人も企業も免除されるので、とてもお得な制度。是非ご利用ください。

具体例で言うと、

<7月8日に出産した場合>

【産前開始日:5月28日】・・・5月の保険料から免除

【産後終了日:9月2日】・・・8月の保険料まで免除(9月2日の翌日9月3日の前月)

ということで、最大4か月社会保険料が免除になります。※出産日によっては3か月になります。

傷病手当金と出産手当金の関係は?

出産手当金を支給されている場合は、傷病手当金は支給がSTOPします。(メデタイこと優先と覚えてください)
ただし平成28年4月~の健康保険法改正により、傷病手当金よりも出産手当金の金額が上回る場合は、出産手当金と傷病手当金の差額が支給されます。

<傷病手当金>
業務外のけがや病気で、労務に服すことができないときに健康保険から支給される給付です。

私の場合は、切迫早産で絶対安静になったために、産前開始日よりもかなり早く休むことになり、その休んだ間は傷病手当金を支給されていました。そしてそのまま出産となったので、出産日の42日前から出産手当金に切り替わりました。

わからないときは、企業の担当者へ

出産手当金など給付金の申請は、とてもややこしいことが多いですよね。

私自身、社労士の資格取得の為に以前勉強した内容なのに、実際に自分が出産するまで実感できないことが多かったです。

産休関連の事務をやってみて改めて、こういうことかと再確認する日々です。

法令も結構改正が多い分野ですので、わからないときは企業担当者へ相談することをおすすめします。

皆さんの出産手当金もきちんと処理されますように!

派遣社員でももらえる出産手当金!出産日は出産予定日より前と後どっちがお得?” に対して6件のコメントがあります。

  1. 金子結衣 より:

    こんにちは。大変分かりやすい記事、眼を皿にして読ませていただきました。
    今、妊娠8週目で派遣社員として働いています。
    今年の11月より派遣会社の社会保険に加入しております。
    予定日は来年の7月10日です。そこまで細々とですが派遣社員として勤務を続けようと思っているのですが、その場合は1年未満でも出産手当金の対象者になりますか?
    また、今の派遣社員は2か月更新なのですが、更新が継続された場合は派遣先の会社が変わっても通算でカウントされるのでしょうか?それともリスタートになりますか?(雇い主は派遣先の会社でなく派遣元の会社です)
    産休育休についても何か注意点等ございましたら教えていただけましたら幸いです。

    コロナ禍で様々な手続き等でお忙しいと存じます。お会いしたこともないのに、図々しく沢山質問で申し訳ございません(´;ω;`)お手すきの際にご教授いただけましたら幸いです。

    何卒、何卒よろしくお願い致します。
    何卒よろしくお願い致します。

    1. 子ぐまママ より:

      金子様

      こんばんは。
      こぐまママです。

      こちらの記事へのご質問ありがとうございます。

      ご質問の出産手当金ですが、
      派遣社員の場合、産休期間・育休期間の間は、派遣元に、無給での契約を継続更新してもらうことにより、社会保険の被保険者でい続けられますので、出産手当金の対象になります。
      在職(休職中)であれば、被保険者期間は条件にはなりませんので。
      なお、産休・育休の間は、社会保険料は免除になります。

      大事なのは、派遣元に産休・育休を取り、生まれてくるお子様の保育園が決まれば、また同じ派遣元で、派遣として働きたいという意向を伝えておくことだと思います。
      そうすれば、上記のような対応を派遣元にとってもらうことが可能だと思います。

      (金子様の場合は、11月からの勤務ということで、一年以上同じ事業主に雇用されていないので、育休給付=育休については、対象にならない可能性が高いです。)

      もし、出産前の最後の契約で派遣契約終了となり、産休・育休の意思を伝えていなければ、退職後の被保険者としては、一年未満しか被保険者期間がないので、対象にはならないと思われます。

      また、派遣先がいくら変わっても、派遣元が同じであれば、被保険者期間は、通算されます。

      ぜひ、派遣元の担当者にご相談してみてください。

      無事お子様が誕生されることをお祈りしております。

      1. 金子結衣 より:

        子ぐまママ様
        ご丁寧かつ分かりやすい返信、誠にありがとうございます(^^♪!!
        心より御礼申し上げます。

        産休・育休中の社会保険の件、派遣先に相談させていただこうと思います。
        今、妊娠3か月目なのですが、ご相談時期についてのアドバイスはありますでしょうか?
        妊娠についてはお伝え済みですが、あくまで報告にとどまっており、予定日や今後の仕事についてなどの詳細については話していない(聞かれていない)状況です。
        3月までは確実に契約があるのですが、その後の仕事については未定です。ただ当方、看護師なので、仕事がないという状況にはならないかと思います。

        また、派遣社員だと育児休業給付金はなし・・・でしょうか?
        きっとご存じの方からすると、呆れかえるレベルのご質問だと思うのですが💦
        お忙しい中、大変恐縮なのですが、教えていただけますと幸いです。

        コロナも未だ勢力収まらずですので、くれぐれもご自愛ください(^^)/

        1. 子ぐまママ より:

          金子様

          こんばんは。子ぐまママです。
          ご質問ありがとうございます。

          産休取得の件ですが、派遣先ではなく派遣元(派遣会社)へご相談くださいね。
          派遣元への相談時期は、特にいつされても問題ないように思います。

          金子様の場合、産前産後休暇は、派遣先との最後の契約を「産休の始まる5/30」を含むように契約、
          その後、産前産後休暇の間は、派遣元と無給の契約が結べれば、取得可能(=出産手当金の対象)
          だと思います。

          ですが、育児休業休暇は、育児休業を申し出する際に「派遣元に継続して1年以上雇用されていること」が
          条件のひとつなので、取得は難しい(=育児休業給付金の対象にはならない)と思います。

          看護師さんとしても妊婦さんとしても、大変な時期ですが、無理なさらないようにお体ご自愛下さいね。

      2. 金子 より:

        明けましておめでとうございます。

        昨年はブログで●●様に出会えて大変幸せな年になりました。
        お会いしたことがないにも関わらず、いつも丁寧な返信をくださり本当にありがとうございます。
        本当に助けられました。心から感謝の念でいっぱいです。
        本当にありがとうございました。

        今年もよろしくお願い致します。

        早速で大変心苦しのですが…本当すみません💦
        傷病手当金についてご質問させてください。
        年末に妊娠に伴う腰痛を発症し、数日会社を休みました。
        具体的には
        12/25 発症(待機期間1日目)
         /26 休み(待機期間2日目)←この日は元から休日予定でした
        /27 仕事予定でしたが休み(待機期間3日目)

        ここからがご質問なのですが、この後、1/2までは治らず仕事を休んでいるのですが、その間に仕事があったのが12/29 30、31日の3日間のみでした。
        規約には待機期間3日のあと連続して4日間休んだ場合と記載してあったのですが、元から12/28は仕事がない予定だったのですが、含まれるのでしょうか?
        28日が含まれる場合は31日までで4日間になると思って…
        派遣先に確認したところ、社労士の方がお休みされているようで、対応がいつになるか分からない、今月20日までに書類を提出しないとできない(が、適応かどうかは社労士がいないから分からない)とだけ言われてしまい💦
        診断書が必要のようで、もし適応外なのであれば、わざわざ診断書をお願いし取りに行くのも手間になってしまうので、避けたいと思います。

        説明が分かりにくくて申し訳ございません💦
        もしご存じだったらで構いません。
        またお忙しいと存じますのでお手隙の際に教えていただけましたら幸いです。

        何卒よろしくお願い致します。

        1. 子ぐまママ より:

          金子様

          こんばんは。子ぐまママです。
          ご質問ありがとうございます。

          傷病手当金ですが、
          次の(1)から(4)の条件をすべて満たしたときに支給されます。

          (1)業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
          (2)仕事に就くことができないこと
          (3)連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
          (4)休業した期間について給与の支払いがないこと

          今回は、この(3)についてのご質問だと思います。
          この(3)は、
          業務外の事由による病気やケガの療養のため仕事を休んだ日から連続して3日間(待期)の後、
          4日目以降の仕事に就けなかった日に対して支給されます。
          待期には、有給休暇、土日・祝日等の公休日も含まれるため、給与の支払いがあったかどうかは関係ありません。
          また、就労時間中に業務外の事由で発生した病気やケガについて仕事に就くことができない状態となった場合には、
          その日を待期の初日として起算されます。

          金子様の場合
          12/25 発症(待機期間1日目)
          12/26 休み(待機期間2日目)
          12/27 休み(待機期間3日目)

          ということで12/25が労務不能でお休みされていれば、12/27で待機3日間が完成しています。
          病院で労務不能が証明されれば、12/28~1/2までの6日間が傷病手当金の支給対象になると思います。
          また傷病手当金は、診断書ではなく「傷病手当金支給申請書」の療養担当者欄への記載が必要です。
          こちらの書類記載の費用は保険適用ですので、診断書のように何千円も費用は掛かりません。
          数百円程度だったと記憶しています。
          給与担当者の記載項目もありますので、やはり派遣元にご相談いただく方が良いかと思います。
          これで金子様の質問への回答になりましたでしょうか。

          それでは、お体大事になさってくださいね。

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